伊深まちづくり協議会は、住みよく、うるおいのあるまちづくりをめざし、住民主体の活動を組織化、支援しています。

小気味よい講演会でした

小気味よい講演会でした

 久々に書き込みます。先日(10.27)の「定住自立圏講演会」『これからの地域づくりのカタチ』(山崎亮氏=コミュニティデザイナー)について。

 いやー、最初は少し疑ってました。講師らしからぬラフないでたちに、「今日は何をしゃべるか考えてきてません。その場の反応をみて決める主義なので」とおっしゃるので。―― 正直なところ、「大丈夫かいな、このお兄さん」と思いましたね。
 でも、結局はみごとに裏切られました。
 話の内容、テンポの良さ、笑いの要素の混ざり具合。どれも聞く者を飽きさせない内容でした。

 講演は同氏が関わった「地域づくり」活動の事例紹介なのですが、大まかな内容を以下にかいつまんでみます。

○香川県観音寺市(人口約61千人)の「観音寺まちなか再生計画」では、

観音寺

 住民自身が「もう面白いところはない」と自覚するシャッター街のなかに「店舗in店舗」(たとえば「下着屋」&「ケーキ屋」、「クリーニング屋」&「餃子屋」など)があるのを見つけ、営業中の店舗の空きスペース活用で新規店舗の誘致に結び付けた事例やフェイスブックへ「今宵もはじまりました」といって「宴会」へのお誘いを書き込んだことから仲間づくりが広がった話など。

○群馬県富岡市(人口約50千人)の「富岡市世界遺産まちづくり」では、

富岡

 世界遺産登録をめざしつつも、「世界遺産ブームの賞味期限は3年」と冷静に見越し、登録決定前から持続的なまちづくり活動を進めていたこと。そのポイントは「来訪者が製糸場だけを見て終わるのではなく、富岡の街を好きになってもらい、富岡で生活する人たちとの出会いによって、何度も訪れてもらえる関係づくりをめざす」こと。更に、「まちなかで来訪者とともに市民自身が笑顔で楽しめるプログラムを実行する」ことなど。

○兵庫県姫路市家島町の「いえしまプロジェクト」では、

いえしま

 特産品開発と観光客誘致を巧みに結び付け、特に島の魅力を「探られる島」として地区外からの視点で再発見しようとしたことなど。

○島根県海士町(人口約2.3千人)の「海士町総合振興計画」では、

海士町

 振興計画づくりを住民参画による実践的な24のプロジェクト(具体案)に結実させ、そのうち、全国的に注目を集める「高校魅力化プロジェクト」など5つのプロジェクトが活動開始していることなど。

 どれももっと探ってみたいと思わせるだけの深みがあり、こうした情報提供を受けただけでも刺激になった講演会でした。

活動人口

 最後に「今は人口が増えている当市でもいずれは人口減少の時代が来る。しかし、『活動人口』(=まちづくりに参画する人口)が増えれば、まちは活きる」との指摘があり、しめくくりのことばとして印象的でした。



  ◇

 ところで、この講師とのかかわりは不明ですが、海士町のスローガンは『ないものはない』というのだそうです。これには2通りの意味があり、「必要なものはあるが、それ以外のものはない」という意味と、「大事なことはすべてここにある」という、すがすがしいほどの開き直り(=矜持ということもできます)が感じられます。全国から注目される理由はこんなところにもあるのかもしれません。見習いたいところです。

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